顧客からの「暴力」――カスタマーハラスメントを見過ごすな
労働問題労働環境改善2025年5月6日
– マルエツエクスペリエンス労働組合は訴える
カスハラとは何か
「お客様は神様です」――この言葉は、かつて日本のサービス業の誇りを象徴するものでした。しかし、今この言葉が一部の顧客による“暴力”を正当化する隠れ蓑になってはいないでしょうか。
カスタマーハラスメント(通称:カスハラ)とは、客の立場を利用して、従業員に対して理不尽な要求や威圧的な言動を繰り返す行為を指します。暴言、長時間のクレーム、土下座の強要、SNSでの晒し――これらはすべて立派なハラスメントです。
現場では何が起きているのか
私たちマルエツエクスペリエンス労働組合(ME-UNION)に寄せられる声の中には、深夜の勤務中に繰り返される暴言、誹謗中傷、時には物理的な威圧を伴う言動が多数あります。特にナイト従業員は、管理者不在の時間帯に顧客対応を一手に担っており、孤立無援の状況で耐え忍んでいるのが現状です。
なぜ問題が見えづらいのか
カスハラの多くは「業務の一部」として黙認されがちです。「クレーム対応も仕事のうち」と言われれば、声を上げにくくなります。上司に報告しても、「我慢して」「相手にしないで」と片付けられ、事態は改善されません。
この沈黙の構造こそが、カスハラを温存させている最大の要因です。
労働組合が取り組む理由
私たちME-UNIONは、「誰もが安心して働ける職場」を実現することを目的に設立されました。適正な賃金や休暇だけでなく、「尊厳を守る職場環境」も交渉の対象としています。従業員の安全と精神的健康を守ることは、会社の責任であり、社会全体の責務でもあります。
カスハラへの対策を企業任せにするのではなく、労働者自身が声を上げ、制度化を求めることが求められています。
私たちにできること
- カスハラ事例の記録と共有
記録が交渉の武器になります。日時、場所、内容を記録し、組合や信頼できる窓口に報告してください。 - 企業にガイドラインの整備を要請
カスハラへの対応マニュアルや、従業員を守る通報制度の導入を求めましょう。 - 「我慢」ではなく「対話」を
我慢を強いる文化を変えるために、まずは職場内での対話を促進することが重要です。
最後に
「働く人の尊厳を守ること」は、利益よりも優先されるべき価値です。
カスハラに対して沈黙するのではなく、対策と制度を整えるために行動しましょう。
マルエツエクスペリエンス労働組合は、あなたの声に耳を傾け、共に変化を生み出す力になります。
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運営事務局:me.union0703@gmail.com
本記事は、各種報道および公表されている情報をもとに、労働組合の立場から整理・解説したものです。法律や制度の詳細な運用については、厚生労働省などの公的機関による正式な発表やガイドラインをご確認ください。