「肩書だけの責任者」- 名ばかり管理職問題の深層
労働問題労働環境改善法改正2025年5月7日
― 名ばかり管理職問題の深層を問う
「課長なのに、実際はただのプレイヤー」
「“管理職”に昇進したはずが、残業代が出なくなっただけだった」
そんな声が、現場の至るところから聞こえてきます。
“名ばかり管理職”――肩書だけで責任を負わされ、権限も待遇も伴わないこの問題は、今や日本の職場に深く根を張る構造的な労働課題です。
【実態】管理しない“管理職”が生まれる職場
一見すれば「昇進」とされるポジションでも、実際の業務内容を見てみると――
・部下の評価権や人事権限がない
・シフトも作れず、裁量がほとんどない
・むしろ現場の実働を担っており、他のスタッフより勤務時間が長いにもかかわらず、“管理職”扱いで残業代がカット
これは「管理職」ではなく、単なるコストカットの口実として“肩書”を与えられているだけとも言える状態です。
【背景】なぜ「名ばかり管理職」は生まれ続けるのか?
名ばかり管理職問題の背景には、複数の構造的な要因があります。
・企業側の人件費圧縮:残業代を支払わずに業務を続けさせたい
・キャリア形成の“見せかけ”:役職を与えることでモチベーションを演出
・労働基準法の曖昧な運用:管理監督者の定義が現場の実態に即していない
・「断れない空気」:昇進を断る=昇格拒否という烙印が押される職場風土
このような職場構造の中で、「責任だけが増え、対価も権限もない」働き方が常態化しています。
【リスク】名ばかり管理職がもたらす弊害とは?
これは個人の問題にとどまりません。
名ばかり管理職が職場に蔓延すると、次のような深刻な影響が及びます。
・長時間労働の常態化:残業代が発生しない“裁量”に甘える企業体質
・職場の士気低下:頑張っても報われない、評価されない空気
・本来の管理業務の不在:労務管理が機能せず、トラブルが放置される
つまりこれは、個人の待遇問題であると同時に、職場の健全性を脅かす重大な構造的リスクなのです。
【組合の役割】「肩書」ではなく「実態」に目を向けよう
私たちマルエツエクスペリエンス労働組合(ME-UNION)は、この“名ばかり”の働かせ方に対し、「実態に基づいた適正な処遇」を求めて交渉を続けています。
・業務内容と権限の見直し
・残業時間と給与の実態調査
・名ばかり管理職による損失(賃金未払い)の可視化
・昇進の“押しつけ”を防ぐ相談体制の整備
肩書だけで判断される働き方を、私たちは終わらせたい。
【声をあげよう】「立場に見合った待遇」を取り戻すために
「昇進したけど、正直つらくなっただけ」
「管理職になってから、むしろ待遇が悪くなった」
そんなときは、ぜひ私たちに声を届けてください。
あなたが背負うべきでない責任や、受け取るべき対価の欠如――
それを見過ごさないのが、労働組合の使命です。
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マルエツエクスペリエンス労働組合
運営事務局:me.union0703@gmail.com
あなたの一歩が、明日の希望につながります。
※本記事は、各種報道および公表されている情報をもとに、労働組合の立場から整理・解説したものです。法律や制度の詳細な運用については、厚生労働省などの公的機関による正式な発表やガイドラインをご確認ください。